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「逃げ上手の若君」1巻(松井優征著 集英社)

※ネタバレ注意

 

(本日紹介する漫画)

「逃げ上手の若君」1巻(松井優征著 集英社

 

(作品紹介)

鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて駆け抜けた武将、北条時行の生涯を追った物語。

 

(感想)

ネウロ」の作者である松井優征先生の最新作。

ネウロ」時代と絵柄が結構変わっているので、表紙を見る限り本当に同一作者かと疑って読みましたが、諏訪頼重を見ると「あ、確かにネウロ(の作者)だわ」と納得。

それ以外にも、敵キャラなど、そこここにネウロの面影が残っています。

いえ、正しくはワザと残して描いています。

というか、そうでもしないと本当に分かりません。

別名義にして、100%ギャグ要素無くこの作品を描かれたら、少なくとも管理人は全く気が付かないと思います。

 

史実を元に描かれた漫画である以上、歴史の監修・解説につく人は絶対にいるだろうとは思っていましたが、歴史監修だけでなく、日本画家(単行本表紙の柄は管理人も個人的に惹かれました。)、書家、水墨画家、着物の柄の担当など、多岐にわたって様々な人が関わっている超豪華な作品になっています。

 

内容の紹介になりますが、南北朝時代の英雄、足利尊氏と生涯にわたり対立した敗軍の将、北条時行を描いた作品で、1巻は最初に歴史が動いた1333年を中心に描いています。

 

登場人物の描き方が、関係者の人たちが見て大丈夫なんだろうかと心配する場面もあったり、実存しないような魔物が登場したりしますが、歴史の監修がついているだけあって、基本の流れは史実を元に描かれています。

ごくごく狭い時代の範囲ではありますが、日本史の勉強になります。

ただ歴史の監修はあっても本作歴史の教科書ではなく創作物(フィクション)であるので、その点だけはお気を付けください。

 

あと、個人的に感想を言うならば、第1話で早々に退場してしまった、主人公時行の嫁の地位を狙う清子ちゃんが主人公時行ともう少し仲良しに描かれれば良かったのになあと思いました。

彼女の悲惨な最期を思うと、本当にちょっとの間だけでも、時行と幸せな時間が過ごせればといいのにと。

なかなか頭が回る上に計算高くて、実はあの容姿も含めて嫌いじゃなかったんですけどねー。管理人としては。

「代闘士ハイコの事件簿」2巻(原作:伊勢ともか 漫画:久園亀代 講談社)

※ネタバレ注意

 

(作品紹介)

「代闘士ハイコの事件簿」2巻(原作:伊勢ともか 漫画:久園亀代 講談社

 

(2巻感想)

2巻完結です。

ハイコの過去も明らかになりますが、過去の問題は解決しないままに物語は終わります。

そういう意味では全体的に消化不良でしたね。

良かった点は、剣と魔法と、事件まで絡んでいるのにハイコもノアも無事で物語が終了したことでしょうか。

 

2巻では1巻で起きた「服従魔法殺人事件」の解決編が収録されていました。

剣と魔法のファンタジーですが、魔法使いであろうと剣士であろうと、人々をちょっとした心理操作で動かして目くらましをするとか、真相は普通に推理モノでしたねー。トリックに魔法を使う事は使うんですが、ただ、その魔法を使う人間の心理は、ファンタジーも現代でも変わりないですからね。

事件解決後に起こる事件は、流石に剣と魔法のファンタジー世界でした。

 

そしてもう一つ収録されているのが「巨竜と決闘」。

飛空艇が竜に襲われた事故の真相をハイコ達が追うものです。

犯人を捜せではなく、事故を起こした責任者を見つけろという切り口は、こういう推理モノには普通あまり話に出てこなくて新鮮でしたね。

こちらの事故については、最後の話という事もあってか、にファンタジー要素が強い話になっていました。

 

剣と推理という、試みとしては意欲的で非常に面白くあったんですが、2巻で終了という形を取っています。

そして最後のお話では、探偵役ハイコの押しかけ助手であるノア(実質主人公)の活躍が正直あまりなかったので、その点でも残念ではありました。

 

「花火」(吉原由起著 小学館)

※ネタバレ注意

 

 

(本日紹介する漫画)

「花火」(吉原由起著 小学館

 

(作品紹介)

表題作「花火」を含む、8つの短編集。

全年齢が見ても問題ないとは思われますが、朝チュン程度の描写はあります。

 

(感想)

いい塩梅にギャグを混ぜた、大人のおねーさん達の恋愛漫画を描く名手でもあります吉原由起先生の最新刊。

昨日は「ラストジェンダー」、今日はまるで逆に針を振り切って妙齢の女性達の王道恋愛漫画を紹介。

これが当ブログであります。

別名節操がないともいう。

 

実際は、表題作の「花火」の漫画紹介で内容にひかれたために購入。

表題作「花火」を説明すると、話の冒頭で主人公ユリが彼女のマンションのベランダから花火を見ながら部屋でパソコンをいじっている夫のミチオと会話。内容は勿論花火のこと。そして似たような会話を隣に住む夫婦もしていました。

これだけならリア充爆発しろ。で終わる話ですが、そうは問屋が卸しません。

翌朝ユリが、お隣の女性と出会った際に花火の話をするが、お隣の女性は不思議そうに首を傾げる。

「花火大会なんてありました?」と。

「ご主人と仲良く花火を」とユリが伝えると、お隣の女性は急に怪訝な顔をする。

「わたし一人暮らしですけど?」

 

ユリの違和感はこの後も続き、その後彼女はアパートの管理人さんとも挨拶するが、やはり花火の音など聞いている様子もなく、ある驚愕の事実を管理人さんは言います。

「ここは女性の一人暮らし限定のマンションですよ」

つまり夫がいる女性は暮らすことは有り得ないということを指します。

それでは、ユリが聞いた隣の仲良し夫婦の会話は?

ユリの夫のミチオとは?

そもそもユリの耳に聞こえてきたあの花火とは一体何だったのか…?

 

 

物語のオチはその目で確かめてみて下さい。

管理人、最初は全てユリの妄想だと思っていました。

花火も隣の仲良し夫婦も夫のミチオも全てユリの頭の中だけで作り上げた存在だと。

隣人も管理人も「あの人ちょっと夢見がちで…」と陰で言われていたとかそういうオチ。

本当のオチとして、ミチオは実在します。ユリの妄想で生まれた男ではありません。

ただ、「花火」自体の解釈は管理人正直悩むところなので、読まれた方で「こういう意味なんじゃないの?」というご意見があれば、教えて頂ければ幸いです。

それを書くのがこういう感想ブログじゃねえのかと言われればそれまでですが、何度読んでも管理人の中で物語の冒頭であった花火大会はこういう意味だというしっくりする解釈が出ませんでした。

 

その他は、特に解釈について迷う事がないおねーさん達の恋愛漫画で、ハッピーエンドです。

 

その中でも唯一恋愛要素皆無の、雨女であるおばさん、もといお嬢様と近所の子どもたちとの交流を描いた「レディ・レイン」が好きですね。

雨女というからには~という、誰しも一度は考えたことをサックリ描いてしまうところが何ともイイです。

しかも、お嬢様と(おそらく)執事という恋愛漫画の王道の二人がいても一ミリも恋愛要素が絡まずに話が始まって終わるのだから、スゴイ。

お嬢様と執事の恋愛モノを期待するとガックリきますが、この二人の距離感良いですよ。近所の子どもにおじさんと言われて無表情でずっと気にしているとか、お嬢様が草むしり競争の衣装をお披露目してもそっちのけで「おじさん」の一言を気にしているとか。またお嬢様も草むしり競争が楽しみで、執事の様子をと全く気にしてもいないとか。

ちなみに執事の名前はセバスチャン。お約束ですね。

子どもたちとの交流を素直に喜ぶおばさん、もといお嬢様がとてもカワイイです。

 

気になった方はぜひどうぞ。

「ラストジェンダー~何者でもない私たち~」1巻(多喜れい著 講談社)

※ネタバレ注意

ハプニングバーが舞台なので、お子ちゃま世代はバックオーライプリーズ

 

(本日紹介する漫画)

「ラストジェンダー~何者でもない私たち~」1巻(多喜れい著 講談社

 

(作品紹介)

ハプニングバー「BAR California」

個性豊かな常連客が織り成す、様々なセクシャルを持った人々のオムニバスストーリー

 

(感想)

アメリカのFB(フェイスブック)のセクシャルの種類は58種類もあるんだって」

そんなにもあるのか…。知らなかった。

 

セクシャルマイノリティを知る上では、勉強になります。

アロマンティック(性的欲求はあっても恋愛感情を抱くことはない)というのも、管理人本作を読んで初めて知りましたし。

 

様々なセクシャルの人たちがリレー方式で主人公になっていき、自分の性癖と向き合う1話完結のオムニバスストーリーです。

しかも登場人物が主人公になった話しか登場しないという訳でもなく、ある話の主人公が、別の話では恋人になったり、背中を押したりします。

 

第2話から登場するマリーさんについては、自分のセクシャルについて第3話で「言って何になるの?」と言いつつも、第4話で結局カミングアウトしちゃってます。管理人個人的には、第3話のマリーさんの言葉の方が共感できるので、第4話でさらけ出す(カミングアウトする)のはちょっと意外で驚きましたね。マリーさんの奥さんが理解してくれたから良かったけれど、例え長年連れ添った妻であってもそう上手くいくわけじゃないから。カミングアウトのきっかけとなった口紅の一件は、不倫であってくれた方がむしろ良かったと奥さんに言われる場合もあるだろうしねー。

第一カミングアウトが簡単な話なら、マリーさんも長年悩んでいないし。

それでもマリーさんが「全ての人に認めてほしいわけじゃない」と独白しているところは、やっぱりこの人節度ある大人だなあと思います。

 

第2話からマリーさんが真生君に気があるような描写があり、第3話の主人公真生君をあみるちゃんと取り合っているマリーさんの攻防が、ミスリードだったことに少し驚きましたね。

第4話で全て分かりますが、実はマリーさん奥さん一筋。別に相手を求めてハプニングバーに来ている訳じゃなくて、単に己の「女性」を解放しに来ているだけだったというオチでした。

 

1巻の感想なのに、マリーさん語りになってしまった。

語りついでに、あともう一つマリーさんについて語るなら、第5話主人公のあみるちゃんとマリーさんの第3話から続く交流は結構好きですね。意外と二人、仲良いのよ。

 

そして先ほどから名前が出ているアロマンティックのあみるちゃんが主人公の第5話は、アロマンティックな方だけでなく、パートナーが現在いない人、出来ない人、求めていない人に対するあるあるなので、「何で結婚しないの?」だの「恋人はいないの?」だのやいやい言われて怒りのあぜ道を作っている人は読んでみて下さい。

恋愛至上主義から外れた「可哀想で最低の人生」は、結局他人の評価でしかないけれど、その評価が多様性の時代といかに叫ばれようとも現在も根強いことが、恋愛至上主義恋愛至上主義たる側面なんだよなーと改めて理解できます。

 

最後にもう一度注意を書きますが、こちらハプニングバーが舞台なので、「そういった描写」も結構描かれています。

セクシャルについて描いた物語といったらすぐにそういう行為と直結する、といったことに拒否反応を示されるなら正直遠慮された方がいいと思われます。

第4話のマリーさんの話のように、そういった行為がなくても話は成立するとは思いますが、セクシャルの話についてそういった行為をまるで描かないというのもかえって嘘のような気がしますので、アリだとは管理人思います。

ただ、読むには年齢と自己責任はつく話なので、ご注意ください。

「島さん」2巻(川野ようぶんどう著 双葉社)

※ネタバレ注意

 

(本日紹介する漫画)

「島さん」2巻(川野ようぶんどう著 双葉社

 

(2巻感想)

コンビニエンスストアで働く島さんと、コンビニ客、コンビニ店員たちとの物語。

2巻も1巻の世界観をそのままに続いているので、1巻が面白かったという人は、正直買いです。

 

今回管理人が一番印象に残ったのは、島さんと一緒に働く若いコンビニ店員たちでした。

 

かったるくてアルバイトをすぐにバックレる青木君、

一度のミスから、ミスが怖くなって「責任ある事から逃げるのばっかり上手になって」というやや。

 

汚れちまった大人としては、そういう人間をわりと見かけていますので、「いるよなあ、こういうヤツ」と作者の表現の上手さに、感心。

 

誰だってミスはするし、生きていれば仕事に限らずかったるいことは山程ある。

それを承知の上でそれでもやらねば、というわけではなく「そんなの誰かに押し付ければオールオッケー」と書いているこっちが胸糞悪くなるような事を考えて罪悪感無くやってのける若者たち。

 

勿論そのままで話が終わったら、「リアル人生や」ですが、そこで島さんが愚直なまでにその生き様をみせる事で、彼らが変わっていきます。

 

勿論いい方向に。

 

「ファンタジーかよ!」と突っ込まれればそれまでですが、変化についても「ご都合主義」とまでいかない良い塩梅なので、「ああ良かったなあ」とホッとした気持ちで読めます。

 

1巻に引き続いて、子ども時代の島さんの話が読めたのは個人的に嬉しかったです。

血は繋がっていないけれど、確かに養父に愛されていたよなあ、島さん。

 

PUIPUIモルカー DVD

※プイプイ

 

今日は何の日。待ちに待ったPUIPUIモルカーDVD発売日

リアルタイムで追っかけたアニメが、ようやくDVDになって発売。

この日をどれだけ待ちわびたことか。

確か、第一期の放送が終了した日からだと思う。

 

当然全話内容を暗記しているほど見ているが、買う。

そして勿論、見る。

 

きんだーてれびでも今再放送をやっていて、昨日テディネキ初主役回でもある第4話を再放送。

YouTubeでも見逃し配信をしたばかりであるが、買う。

 

そして勿論、見る。

 

最近の悩みは、おらが地域にモルカーグッズがほとんど売られていないこと。

そして、モルカーの映画を上映してくれないこと。

 

管理人完全にモルカー沼の住人である。

 

「ふしぎの国の私」嵐山のり著

※ネタバレ注意

※後半は主人公に肩入れし過ぎて、毒舌閲覧注意

 

(本日紹介する漫画)

「ふしぎの国の私」嵐山のり著

 

(作品紹介)

四季賞2021夏四季大賞受賞作。

 

(感想)

66ページの中編漫画。

起承転結、オチも伏線回収もしっかりしていて、画力もしっかりしているので、安定して読めます。

 

何故かテーマパーク?らしきところに紛れ込んだ主人公花陽の話。

そして何故か小型ボートに乗って、元いたであろう場所に戻るべくクルーの男性と共に、彼女のこれまでの人生を辿ります。

 

別に嫌われるようなことをしていないのに「陰キャ」として男子にも女子にも疎まれているし、家では家で母親の再婚に悩む主人公。

主人公不憫過ぎる。

だけど、それ以上に彼女の心を一番蝕んでいるのは、かつて彼女が輝ける場所(バレエ)にいた世界を結果として奪い、なおかつちょっとしたきっかけで主人公花陽を裏切ったかつての親友まつり。

 

華々しいだけが人生じゃないこと。

ムカつく奴らに制裁を加える事が正しい訳ではないこと。

人生耐えることも必要であること。

 

中々に不遇の人生を送る主人公花陽にシンパシーを覚える人なら、読んで損なし。

 

 

さて、ここまでは普通の感想。

ここからは毒舌が入るので、閲覧注意。

 

 

 

 

 

 

ここからは完全に個人的な意見になりますが、管理人としてはラスト、友情が復活しなくも良かったんじゃないかと思いました。

まつりと友情が復活するの、本当に彼女の人生にとってそこまで大事なんでしょうか?

大事なのは話の様子から分かるけれど、正直その考えはとても危険だなあとは心配しました。

嫉妬のあまり、主人公が彼女から離れていった~という経過での「今」ならまだ分かりますが、他の人に流された部分があったとしても、主人公側でなく、まつりが主人公から離れていったことがそもそものきっかけです。

大した意味なく主人公をディスる男子どもに対して「相手にしなきゃいい」とさっくり割り切れる主人公が、「またちょっとしたことがきっかけでまつりは突然裏切るだろうけど、それでも人生生きていくならパリピと仲良くしておいて損ナシ」位に冷静に見積もって復縁した、というなら分かるんですけどね。

裏切った随分後になって裏切った奴が急に接近してきたら、そりゃ性格がひねくれてなくたって、今更一体何の用だ(=何かロクでもない裏がある)と普通は警戒します。だからこそ、校門での一件は、管理人はまつりよりも主人公花陽の気持ちの方に一票。

思い立って「仲良くして」と泣いて長年の確執がきれいさっぱり無くなるならば、友情判定甘い(=チョロい)と思われて、またちょっとしたきっかけで主人公が裏切られそうで管理人は心配。

異性(カレカノ)で同じシチュエーションだったら「また裏切るから復縁なんてやめとけ」とか言われそうな地雷案件なのになあ。

 

異性に対しては期待値ゼロ(日常に戻ったところで急に異性にモテるわけでない)で、わりと現実的なのに、同性(友情)についてのこの期待値の高さは一体何なのだろう。

 

裏切り行為に男女差なんてありませんから。

 

お世辞にも恵まれているという環境にいなくても、それでも「生きる」という選択肢を主人公花陽が選ぶというなら、他人に対する期待値(=美しい友情)を人生の最重要事項に置くのではなく、もう少し、主人公自身が持つ本来の強さやしなやかさを前面に出したラストの方が個人的には良かった気がします。

バレエを再開するとかね。

 

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