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「勉強の哲学 来るべきバカのために 増補版」(千葉雅也著 文春文庫)

※ネタバレ注意

 

(本日紹介する本)

「勉強の哲学 来るべきバカのために 増補版」(千葉雅也著 文春文庫)

 

(作品紹介)

「深く」勉強をするにはどうすればいいのか?

独学で「勉強」をしたいすべての人に向けての技法について書かれた本

 

(感想)

作品紹介を読むと資格取得のハウツー本のように思えるかもしれませんが、「勉強の哲学」というようにそもそも「勉強」とは何を意味するのかについて書かれているので、手っ取り早く資格を取る本をお求めの方は、バックオーライをおススメします。

 

「遊んでいないで勉強しなさい」とか「大人になっても勉強をする」とか抽象的に言われるけれど、そもそも「勉強」って具体的に何を指すの?というところから噛み砕いて説明されています。

「○○について勉強する」という言葉を聞くたびに違和感を抱く方は一度読むと、「勉強」というものの考え方や位置づけがスッキリするかもしれません。

「勉強する」ということはむしろ周りと合わせられなくなる。周りからは「浮く」し、そのことで「こいつノリが悪い」とキモがられることを作者は注意喚起していますし、そしてその指摘は「空気を読む」ことや「ノリが重要」な現代の社会生活上、正しいと管理人は思います。

だからこそ作者も誰彼かまわず進めるスタンスはとっていません。

「生きていて楽しいのが一番だからです。」(13P)

ひとつの「ノリ」の世界にいることもまた、生き方の一つであります。

 

では、何故あえて深く「勉強」をすることを本書では説いているのか。

「ノリが良い」ことは、同時にその「ノリ」から出る事が出来ない「不自由さ」を意味しているからです。「従来のノリ」から「異端」とされ、キモがられることを承知であえて出て「自由」と自分の中の新たな「可能性」を開くことこそが、本書でいうところの「勉強」の始まりとなります。

 

あなたはリスクを取って「勉強」の道に進むのか、従来の「ノリの世界」に安住するのか。

これから読む人の選択肢になります。

 

「勉強」の一言に気になった方はためしにどうぞ。

ちなみに表題に書かれる「バカ」については、巷で言われるような侮蔑の意味でない事を最後に付け加えておきます。

 

「ミステリと言う勿れ」月刊フラワーズ5月号 ネタバレ感想

今日は何の日、月刊フラワーズ5月号の発売日。

2月号からの3ヶ月ぶりの連載再開!

 

(表紙感想)

巻頭カラーじゃなかった…

でもカラー表紙。我らが主人公久能整ドアップ。

どうでもいい話ですが、背景のピンク(正確には花がピンク色)が似合いますね。

華やかになります。

でも彼のコートは青色が似合います( ー`дー´)キリッ

 

(本編感想)

久能整復活!!(注:彼は一度も死んでいません)

何時から見ていないんだっけと改めて過去の記事を遡って(持っている単行本でも良いんだけど)、なんと、去年の11月号以来だということに驚く。

 

半年ぶりだわ

 

お久しぶりです。お久しぶりすぎて、実は最初読んだ時にこんな雰囲気だったっけとちょっと面食らいました。気分は浦島太郎状態です。

 

ちなみに、話は6巻の続きになります。

話の冒頭の墓参り場面から、我らが主人公は天達先生とは浅からぬ因縁がある模様であることが伺えます。

久能整の性格から考えると、確かにこの位長年の因縁がなければ人と深く関わろうとしないので、天達先生との関係はある意味納得。

以前取り上げた「人に会い、人を知りなさい」について再度天達先生が言っていたのが興味深かったです。

 

さて、今回のミステリーは長編ミステリーらしく、天達先生に頼まれてアイビーさんのお宅(天達先生の友達の蔦さん家)へ招かれて、集まった人達にアイビーさんから謎解きのお題が出される話。

すごく大雑把な説明ですが、まだ事件が起こっていません。

というより、過去に起こった事件(ある夫婦の奥さんが謎の死を遂げた)についての謎解きです。

興味が出た人はゼヒ読んでみてください。

 

今回は我らが主人公久能整が出てきているので、通例の哲学問答が入ります。待っていました。

そして、今回天達先生が参入しているので、何と久能整だけでなく天達語録(勝手に命名)も出てきます。

 

いろいろ興味深い言葉が出てきますが、管理人が一押しなのは久能整が

「向いているから」教師を目指しているわけでない、と言うところ。

その後、天達先生が「向いている人間」がその職業に就くことの弊害を述べるんですが、これ、もの凄く考えさせられました。

 

「向き」「不向き」で職業を選択する人が多い現代で、

それって本当に常識なの?

本当にそうあるべきことなの?と。

こういう、呼吸をするように当たり前だと思われていることに対する疑問の提示こそが、この漫画の醍醐味であり魅力であります。

それと同時に自分が教師に向いてないって承知の上で我らが主人公久能整は教師を目指しているんだと、驚くと共に妙に納得しました。

彼ほど冷静かつ客観的に自分を見つめている人間ならば、そんなことはとっくに想定済みですもんね。

 

久しぶりに登場した我らが主人公久能整が、半年ぶりに動いて喋って観察しますので、彼のファンはぜひ読んでください。

「パーフェクト・ブルー」(宮部みゆき著 創元推理文庫)

※ネタバレ注意

 

(本日紹介する推理小説

パーフェクト・ブルー」(宮部みゆき著 創元推理文庫

 

(作品紹介)

この本に限った話ではなく、「おススメの本」について聞かれたら管理人は必ず宮部みゆき先生の名をあげています。

とにかく作品の幅(社会派ミステリー、時代劇、ファンタジーなど)が広く、そして面白い。そんな宮部みゆき先生の長編デビュー作が本作。

元警察犬マサと蓮見探偵事務所の面々で、高校野球界のスーパースターの死を追います。

 

(感想)

この作品が最初に出版されたのが結構前なので、微妙に時代を感じさせる小道具(特に電話)が出てきますが、それを差し引いても面白く読めます。

宮部みゆき先生の書く、社会の闇に切り込みつつも身近に発生した事件をハラハラドキドキしながら読んで下さい。

 

しかし、今回管理人が読んで一番心に残ったのは、事件や社会の巨悪よりも、物語の序盤、酔っ払いに絡まれた蓮見加代子を助けた家出少年諸岡進也が、その酔っ払いについて言った台詞です。

 

「酔っぱらったときだけ、日ごろ慎んでいることをやらかすヤツだよ。で、何かしでかすと、スミマセンあれは酒がさせたことで―泡食って弁解するもんな。冗談じゃねえよ、酒が勝手に女の子にオサワリしたりするかよ」

 

ほんこれです

 

酒の席での迷惑行動と、それについての真の原因についてそのものズバリを端的に書いています。

 

特に「酒が勝手に女の子にオサワリしたりするかよ」は激しく同意し、宮部みゆき先生の表現のうまさに唸りました。

酒の席が悪いんじゃない、ましてや“酒”が悪いんじゃない。

酒の所為にして、やってはいけないことを行うことが悪いんです。

でも、酒の席では何をやってもいいなんていうことがまかり通っているから、この台詞を読んでも納得するし、しかも令和の今になってもほんこれと思ってしまうところに、ある意味社会の闇を感じてしまいます。

 

事件の闇とともに、作品のところどころに見受けられる社会の闇も垣間見て下さい。随分と前に書かれた作品である筈なのに、ある意味ちっとも古くないところが凄いです。

 

「ブルーピリオド」アフタヌーン5月号ネタバレ感想

※ネタバレ注意

 

今月号ではマンガ大賞受賞について触れられていましたね。

 

(本編感想)

夏休み突入。

八虎もホッとする程、この学期は長かったということですね。

読者としてもそれはよく解ります。八虎7巻ではボロボロ泣いていますから。

ここから物語は藝大祭編に突入します。

全員で神輿を作るのではなくて、「神輿」「法被」「出店」の3つに分かれるというのは驚きました。

これでまた一つ藝大について詳しくなりました(管理人は藝大知ったかぶりレベルが1上がった)。

八虎は読者の予想通り「神輿」。天才世田介は消去法で「出店」を選んでいます。

で、ここから八虎たちの神輿づくりが始まるんですが、この神輿づくりの話は「藝大あるある」のネタというよりもむしろ、「組織内における仕事あるあるネタ」だと思いました。

何かのプロジェクトをやるとまあ、大体こういう事って起こるよな~と管理人思わず社会人の立場で読んでいました。

どういうことが起こっているかは読んでのお楽しみ?ですが、今回の話はちょっと今までとは趣が変わりそうです。

 

今月号の最後には藝大にどでかい台風が迫ります。

比喩じゃなくて自然現象の方です。

さて、どうなる藝大祭!?どうなる神輿!?

待て次号です。

「猫舌らあ麺」(魚乃目三太著 ぶんか社)

※ネタバレ注意

 

(本日紹介する漫画)

「猫舌らあ麺」(魚乃目三太著 ぶんか社

 

(作品紹介)

吾輩は猫である。名前はまだ無い…」

作品を間違えて紹介していません。

謎の2足歩行ブサかわ猫が実在のラーメン店に出没し、ラーメンの味と店の歴史に迫る漫画。

 

(感想)

名前の無いブサかわ猫がかわええです。

この猫のキャラについて好みは分かれるところですが、管理人は好きですね。礼儀正しくて、所々出る猫の仕草が可愛いです。題名で「猫舌」とあるように、この猫ちゃんは猫舌で、ラーメンもスープも物凄く冷まさないと食べられません。

ラーメン屋へ行くたびに、物凄く息を吹きかけて冷ます姿が笑いを誘ううえに、可愛いです。

この主役猫ちゃんはたいていは実在するラーメン屋に行くんですが、2回は自分の部屋でインスタントラーメンを作って食べています。

それほどのラーメン好きです。

そして、話はラーメンを舞台に進んでいきます。

ラーメン嫌いな人はあんまり向かないかもしれませんが、それ以外の人なら、1話が短くてサクッと読めるので、夜寝る前などに読むのにいいかもしれません。

この漫画を読むことで、お腹が減ってラーメンが食べたくなっても責任持てませんが。

 

もう一度最後に書きますが、主役の猫ちゃんが可愛いです。

「ひとりでしにたい」1巻(カレー沢薫著 モーニングKC)

※ネタバレ注意

 

(本日おススメする漫画)

「ひとりでしにたい」1巻(カレー沢薫著 モーニングKC)

 

(作品紹介)

憧れだった伯母さんが孤独死した。

主人公山口鳴海は伯母の訃報をきっかけにアプリ婚活を始めるものの、あやしい男はおろか全く誰も返事が来ないという状況。

そんな中で、婚活していることを同僚の那須田優弥に全否定されたことで、婚活よりも終活に意識の向く。

彼女の明日はどっちだ!?

 

(感想)

買って燃やしてまた買ってください。

 

以下、真面目な感想書きます。

この漫画はカバーデザインがお花がいっぱいで、なおかつあることを連想させる背表紙でビックリされるかもしれませんが、気にせずに手に取って読みましょう。

本当の意味で、老若男女問わずに読んだ方がいい漫画。

正直教科書にしたら良いんじゃないかというほどです。

テーマはズバリ「終活」。

まだ考えるの早いんじゃないの~という若さの内に、未婚既婚子持ち問わずに考えなければならない問題であることを、丁寧に分かり易く提起している点では白眉だと思います。

そしてそれ以上におススメできる点が、非常に客観的かつ公平な目線で終活について描かれていることです。

主人公の鳴海は独身女性ですが、独身最高という目線ではなく、かといって結婚最強でもなく、子どもがいれば大丈夫だよねとも言っていない。

むしろどの立ち位置であっても結局それぞれ苦労があるということを指摘しています。

そしてその上で昨年から何かと話題になっている「老後破産」は、決して浪費家だからなるというものではなく、未婚既婚子持ち問わず、普通に働いて普通に貯金をしていた人が誰にでもある「普通のつまずき」によって起こるということを漫画で描いています。

これ、下手に立場や考えが偏った著作を読むよりも、現代の社会・経済を知る良い勉強になります。

 

漫画も小説も日々の生活の娯楽として読んでも良い、むしろ管理人は日々その為に読んでいますが、「ひとりでしにたい」はむしろ明日からの人生の教訓・勉強として読んでも鑑賞に堪えられるほど、現代の社会問題に鋭く迫った作品でもあります。

 

ちなみに、普通に漫画に登場する飼い猫の魯山人山頭火がカワイイと猫を愛でる漫画としても問題ありません。

「ブルーピリオド」7巻(山口つばさ著 アフタヌーンKC)

※ネタバレ注意

 

(本日おススメする漫画)

「ブルーピリオド」7巻(山口つばさ著 アフタヌーンKC)

本日発売日!

 

(7巻感想)

いよいよ始まった藝大編。

全部雑誌で追いかけていたつもりでいましたが、改めて単行本で読むと、受験生から今度は藝大生としての八虎の苦しみや焦りがヒシヒシと伝わってきます。

 

前にも感想で書きましたが、現役であることがこんなに不利なジャンルって他に見当たらないですよ。若ければ若い程良いって言われることの方が多いこの日本で、藝大生は2、3年浪人が一番バランスが良いんですね。

 

現役で入り、藝大のキツーイ洗礼を受けベッコベコに凹まされた八虎を励ましたのは、実力抜群で、藝大サラブレット一家出身(家族全員藝大出身)の浪人生桑名マキ。

7巻収録最後話の29筆目は桑名マキと八虎が中心の話で、実はその後の桑名さんについては巻末におまけ漫画にもあったので、彼女のファンは要チェックです。

 

7巻は桑名さんが大活躍だけど、単行本の表紙絵は予備校の大葉先生です。

赤マッキーで花丸描いているところは、大葉先生らしいですね。

八虎が藝大に行ってしまったので、表紙絵位にしか出てこなくなってしまったのが悲しいです。

大葉先生は、キャラとして好きだったので。

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