埋もれ木図書館

おススメの漫画・本・ゲームもろもろの紹介をします。

「SPY×FAMIRY」1巻(遠藤達哉著 ジャンプコミックス)~私の本棚⑬~

※ネタバレ注意

 

(本日紹介する漫画)

SPY×FAMIRY」1巻(遠藤達哉著 ジャンプコミックス

2019年次にくるマンガ大賞webマンガ部門)1位獲得のマンガ。

巷で騒がれているのは前から知っていましたが、今更手に取ってみました。

 

(どんなストーリー?)

凄腕スパイ<黄昏>が、任務遂行の為に妻と子供を突然作ることとなった!

彼が任務のために孤児院から引き取った“娘”は訳アリ超能力者で、“結婚した”妻は暗殺者!互いに互いの素性を隠した3人が、名門校潜入の為にいざ立ち上がる!!

…というのが、あらすじで1巻はそのあらすじのまま、名門校の面接試験まで描かれています。

 

(読んでみての感想)

絵は非常に上手いです。

主人公の<黄昏>は金髪碧眼のハンサムだし、妻のヨルはナイスバディなのに清楚系の美女、娘のアーニャはおバカキャラだけど、顔はめちゃんこ可愛い、絵面だけならまさに『理想』の家族です。

こんな見た目完璧家族なのに読んでいて嫌味にならないのは、嘘で塗り固められた設定で暮らしているということもあるでしょうが、3人とも世の中に対し何かしら薄暗いことを抱いているからだと思われます。

主人公<黄昏>は小さい時に抱いた孤独・絶望・無力感、娘のアーニャは逃亡した被験体としての悲しい過去、妻のヨルは幼少から暗殺者として生きてきて、“普通”が分からなくなってしまったことに対する卑屈さ(ちなみにこの話に出てくるヨルの同僚女たちの“普通”感覚は、管理人にも正直よく分かりません)。

 

“普通”に生きている人間なら、誰かしら何かしら人には言いたくないような後ろめたい、薄暗いものを持って生きています。読者が持つその薄暗さこそが、この作品の登場人物とをつなぐ架け橋となって、架空の国の架空のスパイ漫画に対し、「ああ、わかるなあ」という共感とうなずきを呼びます。

 

スパイものではありますが、半分入るギャグが、必要以上に深刻にならずに読めるので、興味が惹かれた方はどうぞ。

「決戦のクリスマス」(白水こよみ著 月刊フラワーズ12月号に掲載)~時事ネタとあわせてどうぞ~

※ネタバレ注意

 

本日ネットで清原和博氏が日米トライアウトで監督に就任されたニュースを知りました。このニュースをブログで語る程何かを知っている訳ではないですが、丁度タイムリーだと(個人的に)思った作品を読んだので、本日はその紹介をしたいと思います。

(本日紹介する漫画)

「決戦のクリスマス」(白水こよみ著 月刊フラワーズ12月号に掲載)

月刊フラワーズ12月号に載っていた、読み切り作品です。

 

(どんなストーリー?あらすじ紹介)

主人公慎太郎のもとに毎年クリスマスプレゼントを持ってくるのは、パチンコ依存症が原因で6年前に母と離婚した父。最近、父から母宛に手紙が届き、慎太郎は気が気でない。

金の無心を疑った慎太郎は6年ぶりに父に会おうと昔住んでいたアパートに向かうが…。

 

(感想)

クリスマスをテーマに、家族の再生について描かれた漫画です。

 

クリスマスを舞台に描かれた著名な作品「クリスマスキャロル」のエンディングのように、エンドがハッピーになっています。そういう意味では安心してお読みできます。

身内のギャンブル依存症で悩んだことがある方にとっては、結末はかなり出来すぎだと思われるかもしれません。

何故なら大の大人が立ち直ることは、正直並大抵のことではないからです。

でも、再生の機会のない社会というのもたいへん生きづらい世界だとも思います。

程度の差こそあれ、失敗しない人はいないし、長い人生つまづくことも一度や二度ではありませんから。

本当の試練は失敗を乗り越えたその先にあるというのは、この作品でもリアル世界でもいえることなのではないでしょうか。

 

 

 

「Hide&Seek」最終話(鯖ななこ著 月刊フラワーズ12月号に掲載)

※ネタバレ注意

 

(本日紹介する漫画)

「Hide&Seek」最終話(鯖ななこ著 月刊フラワーズ12月号に掲載)

昨日に引き続き、月刊フラワーズ12月号から。

読んで泣けた漫画を本日紹介します。

紹介するためにもう一度読んで、さらに号泣しました。

 

(どんな漫画?)

猫をめぐるオムニバスストーリーの最終話。

オムニバスストーリーなので、これだけ読んでも差支えが無い。

実際、管理人も差支えがなかったです。

最終話である今月号は、夫と二人暮らしをしている富美子さんの物語。

 

(ストーリー)

夫と二人暮らしの主人公富美子。ある日突然夫が他界し、彼女は独りぼっちになってしまう。夫が生前から可愛がっていた猫を通して、主人公が夫の死から立ち直り、新たな人生を歩む、喪失と再生の物語です。

短編なので、これでほぼ説明がつきました。

興味を持った方は、続きをGo!

 

(おススメポイント)

「人の死」を扱ったものは、読者が人間である以上簡単に感情移入をしやすいテーマでもあるので、個人的には“泣かせる漫画”としては実はあまり好みません。むしろ「死」を取り扱わずに“泣かせる”方が“泣かせる漫画”のジャンルとしては好物です。

では、何故今日取り上げたか。

 

①主人公の落ち込み方がたいへんリアル

夫がいなくなってからの主人公富美子さんの落ち込み方や無気力な様子、服装とかは非常にリアルです。ふとした瞬間に夫を思い出し号泣とか、寝てばかりいるとか、頭はボサボサでスウェットっぽい服装かつ猫背で部屋を歩くとか、作者は実際体験したことがあるんじゃないかと思うほど、喪失の様子がリアルです。

 

②夫の二郎さんがイイ男すぎる

主人公富美子さんがしばらく立ち直れなくなるくらいにイイ男なんですよ、亡くなった夫の二郎さん。

こう書くと8頭身のイケメンを想像されるかもしれませんが、実際絵をご覧になると、「どこが!?」と思うかもしれません。

文章で説明すると、二郎さんは頭に寝ぐせのついた、太っちょのおじさんです。

おおらかで気のよさそうな顔をしていますが、イケメンではありません。

だけど、二郎さん(主に富美子さんの回想)がすごくイイ男なんです!

いつも笑顔でニコニコしていて、口癖は「大丈夫、大丈夫」

子どもが出来なくて悩んでいた富美子さんに対し、

「子供がいなくっても幸せにはなれるんだから~~」

「何を持ってるか持ってないかは関係ないと思うよ~?」

「要は気持ちの問題」

(漫画より台詞抜粋)

ニコニコ笑顔でそう言うんです。

二郎さん!(泣)あんた、イイ男だよ!!

こういう人だからこそ、主人公の富美子さんがあそこまで落ち込むのに納得してしまうんですよ。

そんなに仲が良くてとても幸せな二人なのに、ある日突然別れはやってきてしまう、人間関係の儚さも容赦なく描かれています。

 

さて、主人公の富美子さんが、最愛の人の死(喪失)を一体どう乗り越え、どんな結末

再生)を迎えるのか、気になった方は月刊フラワーズ12月号をぜひご覧ください。

 

「ミステリと言う勿れ」 月刊フラワーズ12月号ネタバレ感想

今日は何の日、月刊フラワーズ12月号の発売日ですよ!

 

月刊フラワーズ12月号のネタバレ感想になります。

まだ読んでいない方は本当にご注意ください。読む楽しみが半減します。

 

レッツネタバレ感想!

 

(表紙)

今回はカラー表紙じゃない…モノクロだ。

いえいえそうではなく、もっと重大な情報が表紙にはあります!

それはエピソードカウント。いつも話が変わるたびにエピソード数が増えていきますが…今回はなんと、「エピソード2.5」とあります。

2.5!

ちなみにエピソード2はバスジャック事件、そしてエピソード3はつかの間のトレイン、広島行きへの新幹線ツアーミステリー。

 

大事なことなのでもう一度言います。今回のエピソードは2.5!

そしてわざわざ横浜と地名が書かれています。

 

(本編1:今回の主役は…

本編のっけから約2名、気になる人物が出てきています。

そして早くも横浜で殺人事件が起きています。しかも連続殺人事件が発生。この時点での被害は何故か女性ばかり3名です。

そしてその事件をテレビで見ている、お久しぶりの大隣署の皆さま登場です。本格的な刑事ドラマらしくなってきました。

青砥さんの説明後に舞台は事件のあった横浜に移り、何やら新しい登場人物が続々登場。

刑事の猫田さんは、最初男性だと誤解していました(よく見たらナイスバディのおねえさんだ!)。

そして、何と、あの我路君がいとこーずと共に帰ってきましたよ!

我路君ファンは、今月は雑誌を買って読もう!

イケメンが、イケメンらしくスマートにカッコよく振舞ってます。

何か、海外の私立探偵っぽい。

我路君は亡くなったお姉さんが何故あの殺人バスに乗っていたのか独自に探っているので、ある意味本当に私立探偵なんだけど。

そう、今回の主役は久能整ではなく、我路君

我らが主人公久能整は、何と1回お休み

話の流れからするともっと休みそうな気もしますが、今月号は主人公なのに出てきません!!

なので当然久能整の哲学問答も1回休みです。

 

(本編2:エピソード2.5って…)

本編を読む前から気になっていたエピソード2.5。

つまり、エピソード順から見ると我らが主人公久能整が、池本刑事にダブルスタンダードについて謝っていた頃(コミックス2巻参照)の時間帯に該当します。

12月号は具体的な時間ははっきりとは書かれていませんが、フラワーズ11月号に掲載されていた頃よりも、過去の話になります。

何故なら、エピソード6に出てきた羽喰の事件がまだ解決していないから。

単行本(4巻)か雑誌で展開を追っている読者なら羽喰の事件はオチまで当然知っているんですが、漫画の中では、まだ謎に包まれたまま事件と時間が進んでいます。

これが、先月までの流れ(未来)にどう繋がっていくかが、楽しみなところです。

 

(今月号って…)

てっきり久能整とライカが新しいところへ出掛けて事件に出会う、心は大人の探偵漫画のような展開を考えていたのですが、想像をはるかに斜め上にいく結果に、さすが田村由美先生と感心しました。

 

気になったあなたは、手に取って読んでみてください。

 

「はてなデパート」(谷和野著 フラワーコミックスα)~一冊完結の大河ドラマ風ストーリー~

※ネタバレ注意

 

(本日おススメする漫画)

はてなデパート」(谷和野著 フラワーコミックスα)

一昨日紹介した魔法自家発電 の作者、谷和野先生の6話完結連作短編集。

1冊で全ての物語が完結するお得な漫画です。

 

(どんな話なの?)

はてなブログの遠い親戚筋にあたるデパートの…嘘です

とあるデパートで、不思議な出来事に出会った人々と、そのデパートの支配人との物語。ちなみに全体を通しての中心人物はデパートの支配人で、第5話と最終話は彼が主人公となっています。

 

はてなデパートネタバレ有の感想)

一昨日も書きましたが、谷和野先生の漫画は裏テーマとして「家族」が扱われている作品が多いです。そして例に漏れず、この「はてなデパート」の裏テーマもそのものズバリ「家族」です。

家族を取り扱った漫画は、正直ヘビーなものもありますが、この「はてなデパート」は全体的にエンドがハッピー(第3話のみ普通に失恋物語)なので、さらりと読める内容になっています。

 

連作短編ですが、1話から徐々にこの物語の中心人物であるデパートの支配人の存在が浮かび上がり、彼の生涯をかけての成長が楽しめるようになっています。

(支配人の登場リスト)

1話→物語のちょい役として登場

2話→主人公の上司としてアドバイス

3話→支配人として仕事を依頼

4話→支配人とその妻がちょいと出てくる

5話→満を持して支配人の物語。時系列的には一番の過去

6話→最終話。1~4話の謎が全て解ける。そして感動のラスト。

時系列的には、5話→6話途中→1話→2話→3話→4話→6話後半からラストとなっているので、最後まで読むと「ああっ!そういうことか!!」となります。

 

なので、この漫画は最低2度読みを推奨します。

最初はストーリーを追って、2度目は支配人(主人公)を追って。

 

時系列そのままで読むよりも、この順番の方が支配人のデパートに対する思いや彼の生き様が、より鮮明に浮かび上がってきます。

5話のおぼっちゃんで出てきた時は、とても傲慢なお子だったのに、ある人物との出会いをきっかけに立派なデパートの支配人となっていく、大河ドラマのような作りになっています。

これだと単なる架空歴史漫画と思われてしまいますが、フラワーコミックスαということもあって、物語のベースは恋愛モノになっていますので、恋愛漫画をご所望の方にもおススメです。

 

ただし恋愛要素はふんわか風味となっているので、ガッツリなものをお好みの方は少々物足りないかもしれません。

 

1冊完結・後味スッキリ、そしてガッツリした少女漫画ではないので、老若男女どの年代でも楽しめる大河ドラマのような漫画であります。

 

「あのころはフリードリヒがいた」(ハンス・ペーター・リヒター著 岩波少年文庫)~再読~

※ネタバレ注意(今日の注意書きはちょっと長い)

基本ネタバレが入っているので、未読の人を想定してブログを書いていますが、

~再読~とあるように、今回に限ってはむしろ昔一度読んだ人向けに書いています。

内容すべてを丸暗記している人にとっては、今更感満載ですが。

 

(本日紹介する児童文学)

「あのころはフリードリヒがいた」(ハンス・ペーター・リヒター著 岩波少年文庫

以前、アルティストは花を踏まない

を紹介した時に話題にした児童文学ですが、あれから気になったので思い切って岩波少年文庫を再読しました。

 

(ストーリー紹介)

以前紹介した文章のコピペになりますが、ヒトラー政権下のドイツに生きたユダヤ人少年フリードリヒの悲劇を、ドイツ人の主人公の目から通して描かれた児童文学。

 

(再読感想)

岩波少年文庫作品で子ども向け作品なのに、表紙の絵がまったく現在のお子様向けに媚びていないところもポイントが高かったです。

初めてこの作品を読んだのが子どもの時で、何故か岩波少年文庫を読むとカッコイイと思い込んで、文庫を読み漁っていた時にたまたま出会ったものだったと記憶しています。

子ども向け翻訳特有(?)の無駄のない簡潔に書かれている文体が岩波少年文庫らしくて、学生時代の文集を読んでいるようにとても懐かしかったですが、この文学作品については、物語の無情さをひときわ目立たせていました。

再読して驚いたのは、巻末年表と、訳者によるあとがきです。

 

巻末年表も児童文学らしく、子ども向けに分かり易く書いてありますが、それにしても、というかそれだからこそ内容がエグイです。

小難しい単語を羅列した世界史を勉強するよりもこの年表を一読した方が、どういうことがあの時代に実際になされていたのか皮膚感覚で理解できるので、非常に記憶に残ります。

 

この作品に限らず、あとがきの楽しさを知ったのは、子ども時代よりむしろ大人になっちまってからなので、再読していなかったらおそらく一生知らなかったであろうと思います。

その内容は物語には関係しないので大いにネタバレしますが、外国人(日本人)である訳者から「いい本はないか」と尋ねられた時にドイツの若い書店員が薦めたのがこの物語だったというものです。

フリードリヒの悲劇的なラストは、この作品を知る人なら誰でも知っているので今更かもしれませんが、子ども時代には気づけなかったあれこれも、大人になっちまった今読んだからこそ、気づけることもありました。

 

気になった方はぜひ手に取って読んでください。

「魔法自家発電」(谷和野著 フラワーコミックスα)~ベタな展開はお好きですか?~

※ネタバレ注意

 

(本日おススメする漫画)

「魔法自家発電」(谷和野著 フラワーコミックスα)

デビューコミックス「いちばんいいスカート」を読んでから、好きで追いかけている谷和野先生の第2弾コミックス。

1巻読み切りのコミックで、全部で5編入っています。

 

(ここがおススメ!)

人によって好みは分かれると思いますが、管理人はやはり表題作である「魔法自家発電」が一押しです。

 

(魔法自家発電のあらすじ)

“みにくいケモノ”と自称する「僕」の前にある日現れた美しい天使の少女

何とかその天使の少女と仲良くなりたいと思う、ケモノの僕

しかし、その正体は…。

 

ここまで書いて、ホラー物っぽい印象も受けますが、コテコテの少女漫画です。ちなみに最近はやりの王道ファンタジー漫画でもありません(天使とか、ケモノとか一応ファンタジー要素はありますが)。

 

(魔法自家発電の魅力を語る)

物凄く、ベタな少女漫画です。

ですが、そのベタな展開がたまらなく好きです。

ケモノの僕と天使の少女の正体は、わりとあっさり明かされます。話の序盤で。

そしてその上で、どうして“ケモノの僕”と“天使の少女”が存在するかの謎に、なんと“ケモノの僕”と知り合った“天使の少女”が迫っていきます。

“天使の少女”が“ケモノの僕”と“天使の少女の”謎を解き、全てが本来の『あるべき姿』に戻った時に訪れる結末に、悶えてください。

 

こう書くとダークファンタジー臭がかなりしてきますが、コテコテの少女漫画です。舞台は現代日本で、異世界とかは全く出てきません。

 

この作品の裏テーマでもある「家族の在り方」については、このコミックスの他の話「ソファベッド・ツアー」「2人時間」「Whoにつける名前」にも流れているテーマであったりしますので、「家族」について取り扱った漫画が読みたい方にもおススメです。

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