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「忘却のサチコ」1巻(阿部潤著 ビックコミックス)~落ち込んだ時の特効薬とは~ 私の本棚⑦

※1巻のネタバレ注意

今回に限っては、読んでもそんなに支障がない気もします(当社比)。

 

「忘却のサチコ」1巻(阿部潤著 ビックコミックス)

結婚式の最中に新郎に逃げられた主人公佐々木幸子。

気丈に振る舞いつつも、実はかなり動揺していて、気が付けば逃げた新郎俊吾の事ばかり考えてしまう。しかし、美味しいものを食べた時にのみ、俊吾の事が頭からすっかり抜け落ち、“忘却の瞬間”が訪れる。そのことに気が付き、主人公幸子の“忘却の瞬間”を求め、美食への道を突き進むストーリー。

 

というのが、第1話のざっくりとした説明です。

1巻は話にこれ以上の大きな進展がないです。あとはひたすら幸子が“忘却の瞬間”を求めて行動しまくり食べまくり。1巻ではトルコライス、ビール&ラーメン&かつ丼、わんこそば、おにぎり、サンマ塩焼定食と、日常でもよく食べられるごはんが並びます。

「料理うまい」→「(嫌な思い出を)考えられない」→「忘却(と恍惚)」という運びなので、料理うんちくは分からなくても楽しく読めます。

 

実際幸子のようなケースあったら、心中穏やかじゃいられないです。

こんなケースではなくても、心中穏やかじゃいられない出来事(人生)の“忘却”を求めて人は「何か」に没頭します。

人によってはそれが「趣味」であったり、「仕事」であったり。

それを「衣食住」の中の「食」に求めるのは人としてよくあるケースです。

だからこそ、幸子のとった行動に共感する人が多いんじゃないでしょうか。

ギャグ漫画要素もあるので彼女自身の美食を求める行動はアレですが、落ち込んだ時は美味しいものを食べてゆっくり休むのは王道ですよね!

 

とはいえ同じ人間として、人生の思いもかけないショックな出来事に遭遇した際、負の感情に対し無理に蓋をして、忘れよう忘れようと“忘却の瞬間”に思い切り拘泥する主人公幸子の姿が痛々しく、見ていて切なかったりもします。

もし(悪い意味で)何かに拘泥するのなら、幸子自身が「こんな男にこれ以上こだわるのは本当にくだらない、もうどうでもいいや」と投げやりでなく心から思うまで俊吾に対し怒りと悲しみに拘泥し、吐き出した(昇華した)方が良いような気がします。もちろん、相手に対して物理的に報復するとか非合法的なことはやっちゃダメですが(吐き出しは合法、他人にポリス沙汰の迷惑をかけない範囲で!)。

人間にとって悪い記憶は脳内優先順位がかなり高いと思っているので、無かったこと・忘れることよりもその出来事や人物に対する自分にとっての脳内優先順位を下げる方が“忘却する”方法として適切なような気がします。

 

幸子にとっての「食」が「感情を蓋をして、忘れる手段」でなく俊吾以上の「人生の重要事項」になれば良いと願いつつ、1巻の感想とさせていただきます。

 

相手に対し、怒り・悲しみを抱くことは悪いことじゃないですよ、幸子さん。

 

 

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