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「ミステリと言う勿れ」4巻(田村由美著 フラワーコミックスα)~秋の夜長にミステリー⑤

※こちら4巻の紹介になります。

1~3巻を飛ばしていきなり4巻から読むという奇特な方がいない前提で紹介します。まっさらな状態で読みたい方は、まずは買って読んでからお越しください。

紹介する以上ある程度の情報公開(ネタバレ)はありますが、究極のネタバレである犯人は明かしませんので、「犯人はヤス」といった心配はご無用です。

 

復習も兼ねた過去記事です

「ミステリと言う勿れ」1巻

「ミステリと言う勿れ」2巻

「ミステリと言う勿れ」3巻

 

待ちに待ったエピソード4の解決編と、1話完結のエピソード5、6、7が掲載されています。

話としては1話ずつですが、エピソード5から微妙に話がつながっているような気がします。そのつながりが何なのかはまだ不明です。

 

横溝正史的世界の4話も終わり、広島から舞台は東京へ。

エピソード5~7の中では、エピソード6の「ばちあたり夜話」が一番面白く読ませて頂きました。

推理クイズ(?)あり、ミステリあり、マルクス・アウレーリウス著の「自省録」あり、「ミステリと言う勿れ」ではおなじみの深い問答ありの、本作の魅力がぎっしり詰まった1話であります。

4巻で一番お気に入りの話です。

ちなみに今時の若い人は「自省録」なんて読まないと思う。

「キングダム」とか読んでる。

 

この巻で心に残った言葉は、まずお気に入りの4話で出た、“闘病”について。

(本当にこの作品はさまざまなことに言及されています)

「負けたから死ぬんですか」

「勝とうと思えば勝てたのに努力が足りず負けたから死ぬんですか」

「そんなことない」

「僕ならそう言われたくない」

「勝ち負けがあるとすればお医者さんとか医療ですよ」

「その時点の医療が負けるんです」

(4巻136・137ページ 抜粋)

闘病についても言われていますが、一般社会でいうところの“勝ち負け”の概念にまで話が及んでいるなと個人的に思いました。

ちなみに上記の「死ぬ」という台詞を「失敗」に置き換えると、よくわかります。

久能整自体“勝ち負け”の概念にくくりたくない上での言葉ですし、もしそれでも“勝ち負け”いうなら、そもそもの制度やその制度を回している人間の問題じゃないのかと鋭い指摘をしています。

でも人って自分も含めてそういう根源の話にまで客観視せず、日常生活半径5メートルの人間関係を見て、勝っただの負けただの浮かれたり落ち込んだりしていますね。

深いです。

 

もう一つ心に残ったのは、7話の外面の良い人についての主人公久能整の言葉。

「家族や身内には冷たく厳しくても」

「他人には優しい人っていますから」

(4巻175ページ抜粋)

 

ほんこれです。

いるよね、ほんとこういう人。ここでは家族、身内とそれ以外というくくりでしたが、他人についてもそれはあります。

だからAさんにとっていい人でもBさんにとっては冷たく厳しい人は出てきます。

実際Bさんがこんな場面に遭遇すれば「Aさんに比べてずいぶん態度が違うじゃないか」と思うだろうし、じゃあAさんならオールオッケーかといえば、Bさんの態度を目の当たりにして「こいつ人や場合によってコロコ態度変える人だな」と時と場合によって簡単に自分もBさん側に回るんだろうなって冷静に分析すると思います。

自分にだけ優しい人間にときめくって2次元ファンタジーですよ。やっぱり。

隣の人に理不尽に冷たい態度を取った後で、コロッと優しく自分だけに語り掛けられても、正直何の目的があるんだろうって裏を考えるし、Bさんに冷たいですがそもそも私は別に冷たい人ではないですよというアピールか、異性や権力者に媚び媚びしたいという理由がBさんに限らず周囲全てに透けて見えますが。

だから「何を言うかじゃなくて誰が言うかが大事だ」とどこかで読んだことがありますが、これもほんこれです。

 

 話が逸れましたが、4巻も盛りだくさんの問答があります。

もうここまで来たら、もう全巻“買い”ということで。

いよいよ次回が令和元年9月時点の最新刊、5巻の紹介です。

ちなみに明日発売の雑誌掲載直前まで掲載されています。

当ブログを読んで買うも、読まずに買うもよし。

それでも次回までは「ミステリと言う勿れ」の紹介は続きます。

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