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「プリズムの声」(大野潤子著 フラワーコミックス)

※ネタバレ注意

 

(本日紹介する漫画と作者の作風について物申す)

「プリズムの声」(大野潤子著 フラワーコミックス)

大野潤子先生は管理人が物凄く好きで、よく読んでいました。

万人受けするタイプの作風ではないですが、好きな人にとってはたまらない世界です。

あくまで管理人が抱いた印象ですが、大野潤子先生の話は、日常生活を一途かつ真面目にこなしている(だから成績優秀の優等生が多い)けれど、どこか世間一般様から求められる“若い女の子のあるべき姿”からワンテンポくらいずれちゃった女の子が主人公のお話が多かった気がします。

 

 

(で、どんな話?)

アナウンサー志望で、アナウンサー養成学校にも通っている大学3年生の主人公鈴(リン)が、ひょんなことから耳の聞こえないパン職人涼と出会ったことから始まる恋愛物語。

1巻完結で、プリズムの声自体は3話完結の漫画です。

 

(よく分かる?おススメポイント)

アナウンサー志望で、大学とアナウンサー養成学校とのダブルスクールまでこなしているバリキャリ志向女性のどこが世間からワンテンポずれてるって!?と批判の声が届きそうですが、うっかりするとその設定を忘れてしまいそうな位、雰囲気がユルイんですわ。主人公リンと、その周りの人々。実際アナウンサーを目指している人から見ると「こんなにユルくない!」って批判が来そうです。

閑話休題。話がズレました。

この漫画の一番のおススメは、自分と異なる人間(他人)に対する考え方です。

自分の「声」を活かす仕事を目指す主人公リンと、リンの「声」はおろか耳の聞こえないヒーローの涼。その事に、リンは悩むんですね。

その悩みをある女性(結構なネタバレになるので、誰かは内緒)に打ち明けた時にその人は、

耳の聞こえる人と聞こえない人との間に確かに違いはあるけれど、でも我々は同じ世界に住んでいる、といった内容の回答をするんですよ。

 

ほんこれです。

この話は耳の聞こえる人と聞こえない人との違いについて言及されていますが、正直普遍的な事実だと思いました。

この世の中に、自分と全く同じ年齢・立場・性別・環境の人間は誰一人いません。

ちなみにこういう話になると出てくるであろう双子のケースについてですが、リアル双子は兄弟姉妹として育てられるそうなので(管理人がリアル世界で双子の片割れに聞いた話)、全く同じにはなりません。

だけど、世の中は「勝ち組」「負け組」に始まる「立場・環境」の違いや、「学歴」だの「年収」だの「〇〇歳以上だったらヤバイ」などの「性別・年齢」によるぶった切り(差別)をよくします。

確かにぶった切ろうと思えば、正直お題はいくらでも作れます。

でも、そんなぶった切った手前と先(どちらを手前ととるか先ととるかは分かりませんが)だって、全ては同じ世界の出来事であり、みんな含めて同じ世界に住んでいるのです。

恋愛漫画なので割と隠れがちなテーマですが、ここだけは人生のアンダーラインを引いておいてほしい箇所です。

 

あと、もう一つおススメは、ヒーローの涼が主人公リンとの交際を兄貴に反対された時に、自分は耳が聞こえないだけあって、弱いんじゃないと手話で言い切ったところです。

ヒーローの涼の兄貴がかなりの過保護なんですが(これには深い理由がある)、兄から自立しようとする涼、カッコイイです。だからといって涼はその後兄から絶縁もせず(兄がリンとの交際を認めた事も大きいが)仲良く過ごしているので、涼は大人だなぁと感心しました。

 

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