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おススメの漫画・本・ゲームもろもろの紹介をします。

「僕のジョバンニ」3巻(穂積著 フラワーコミックスα)

※ネタバレ注意

これまでの紹介

「僕のジョバンニ」1巻

「僕のジョバンニ」2巻

 

(本日紹介する漫画)

「僕のジョバンニ」3巻(穂積著 フラワーコミックスα)

このブログでやっている本・漫画紹介は、ある意味他人のふんどしで相撲を取るようなもんですね。それは時折思います。

でも、こういう紹介ブログが存在することで今まで知らなかった世界を知ること、そして他の人がどういう感想を持っているか知ることができるので今日も懲りずに書いています。

 

(3巻ネタばれ感想)

やはりこの巻の魅力は、鉄雄と蘇我百合子とのイタリアでの師弟生活でしょう。

蘇我百合子は言動が破天荒で自由人な世界的チェリストとして1巻では描かれていますが、3巻では鉄雄のチェリスト師匠としての実力・魅力を遺憾なく発揮しています。

2巻で「愛がなければ弟子は取れない」と言った蘇我百合子の台詞は伊達ではありません。イタリアに渡っても、学校生活に溶け込めず、何よりチェリストとして郁未の音に苦悩する鉄雄に対し、彼女はをもって接します。

とうとう、日本へ帰る帰らないで揉めた際、蘇我百合子は鉄雄の演奏をCDみたいだと言った理由、イタリアに渡る時は「気まぐれ」だと言った、鉄雄の弟子入りを許した本当の理由、チェリストとして、いやむしろ人間としての生き方を語り、鉄雄を立ち直らせます。

「…確かに現時点でお前は天才じゃないかもしれない」

「そしてお前は お前以外の人間にはなれない」

「けどな」

「お前が お前であることを希望にするか絶望にするかはお前次第だ」

「才能がないと思うなら雌伏の時は受け入れろ」

「焦らず自分を磨いて勝機を待て」

「階段飛ばせないなら一歩一歩着実に登れ」

「そして」

「私に愛を乞う前に」

「まず自分で自分を愛せ」

「……それが私の弟子になる」

「第一条件だ」

 

百合子師匠!!付いていきます!!!

 

これを師匠愛と呼ばずにして、何を師匠愛と呼ぶのか。

立ち直ったものの、まだ学校生活に溶け込めない鉄雄に対し、

「敬遠されるような人間には人は口をつむぐ」

「すべてを凌駕する天才に勝ちたいなら魅力的な人間になりなさい」

「努力し続けられるよう」

「様々なものを吸収できるよう」

「ピンチの時に誰かに助けて貰えるよう」

「どれだけ才能があったってピンチの時は必ず来る」

「そういう時に差しのべられた手を取れる人間であれよってこと」

と諭し、彼を学校生活へもきちんと送り出します。

 

百合子師匠流石です。

 

そして、ようやく軌道に乗った鉄雄に対し、音楽家として必要な諸々を少しずつ少しずつ蘇我百合子は教えていきます。

一流の音楽家の演奏を聴かせたり、情操教育としてアフリカに連れて行ったり。

全ては、将来作曲家になりたい鉄雄のために。

「…私はな鉄雄」

「お前の未来を考えるよ」

「今はまだ郁未の奴との事が重要なんだろう」

「けれどそれはいつか…どういう形であれ解消される日が来る」

「でもそのあともお前人生は続くんだよ」

「見るべきものは山程ある 足りない経験も」

 

そして、日本に帰ってきた鉄雄とその鉄雄を追いかけて(?)帰国した蘇我百合子ですが、コンクールを見て唯一の弟子に「うぬぼれ」が足りないことを心配している様子。

どこまで優しい師匠なんだ!

鉄雄の人生をまるごと受け入れて、どう生きていけば破綻しないのか、人生単位で考えています。本当にあふれるほどの愛がなければ、やってられませんて。

1巻と3巻だと蘇我百合子の印象はガラリと変わります。大袈裟でなく、本当に。

1巻は自由気ままな演奏家として、3巻は鉄雄の師匠として。

同じ人間なのにこうも違う人物像を描き、しかも描写が矛盾していないところは本作の魅力であります。

おまけに鉄雄視点を切り替えていないところが凄い。

よくありがちなAさんにとってはいい人だけどBさんにとっては冷たいといったような、単にその場・相手によってコロコロ態度を変えるカメレオンというわけでは決してなく、一本筋を通しているところもカッコイイ。

そんな百合子師匠の魅力あふれる第3巻。

百合子師匠の愛のムチにぜひ打たれてください。彼女の魅力にやられること間違いなしです。

え、コンクールの結果はどうだったって?

そんな細けぇこたあいいんだよ!じゃなかった、それは3巻を読んでみてください。

あんまり影響なしです。あらゆる意味で予選で終わっちゃうので。

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