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「金の国 水の国」(岩本ナオ著 フラワーコミックスα)

※ネタバレ注意

 

(本日おススメする漫画)

「金の国 水の国」(岩本ナオ著 フラワーコミックスα)

岩本ナオ先生の名前を一躍有名にした作品。そのずうっと前から(軽く10年は越す)ファンだった管理人からすると今更感満載ですが、先生の名前が以前よりももっと知られたので、本当に良かったです。

 

岩本ナオ先生について知らない人・詳しくない人におススメするならこの作品を推しておけば間違いなし。

一冊完結の漫画なので読み切りたい人にもおススメですし、魔法の出てこないファンタジーでありながらも、政治・経済・文化・そして恋愛といろいろな要素をバランスよく取り入れているので、老若男女問わずおススメできる漫画です。本当にこのマンガはスゴイ。

リアル世界でも、マロニエ王国の追っかけは(長すぎるから)ムリ、といっていた人も、この「金の国水の国」は褒めていましたね。面白いと。

 

(どんなストーリー?)

昔々、隣り合う仲の悪い国(A国、B国)で戦争が起き、その仲裁として神様がA国は国で一番美しい娘をB国に嫁にやり、B国は国で一番賢い若者をA国に婿にやりなさいと言い渡します。

で、A国からは国で一番美しい娘が、B国からは国で一番賢い若者が来ることになったのだが…。

というもの。

 

結論から言ってしまえば、A国で一番美しい娘(間口の広い若者基準で)とB国で一番賢い若者(一番かどうか分からないけれど賢いのは本当)が晴れて結ばれて、神様が憂いていた二国の国交も結ばれて超ハッピーエンドで終わります。

絵に描いたようなハッピーなエンドで、「予定調和なんて、うわぁつまんない」と思った方はちょっと待ってください。

このハッピーエンドに行くまでの道のりが本当に面白いんです。

敵も味方も個性的で魅力的な人物がオンパレード。

登場時では主人公サーラの意地悪な姉、といった印象を抱かせるレオポルディーネは実は誰よりも自国の未来を憂い国の為独り戦う為政者の顔を持ち、見た目も登場時も三下キャラだったバウラですら、やはりA国の現状を憂いて「ミイラのお散歩につきあってられっかよ」と自身の信念を貫きます。

とにかく出てくる人物が一筋縄ではいかないところは、大人のファンタジーだなと感心します。

 

この漫画で一番好きな台詞は、もう一人の主人公ナランバヤルがレオポルディーネから聞かれた質問、A国の左大臣でみんなのモノと法律で決まっているサラディーンが三人の王女(サーラの姉たち)の中でたった一人と結婚するならどのように選べばいいかという問いに対する答えです。

「結婚して他人と家族になるということは夢物語ではない」

「我慢することや悲しいことは波みたいに押しよせて」

「最初に感じた愛や恋は月日と共にどんどんすりへって違う何かに変わっていく」

「だから君はそのときの美しさよりも」

「一瞬の楽しさよりも」

「自分の親兄弟と同じか それ以上に自分を大切にしてくれる人を探しなさい と」

「だからつまり…」

「お茶の時間に最後に残ったビスケットを」

「黙って一人で食べちゃう人は選んじゃダメってことなんですかね」

 

ほんこれ!

結婚について言われる言葉は本にしろ漫画にしろエッセイにしろ多いです。

結婚は夢物語じゃないよとか、自分を大切にしてくれる人を選べとかなんて、見飽きた・聞き飽きたくらいよーく言われています。

ですが、この漫画の特筆すべき箇所は、その耳タコフレーズでもある「結婚が夢物語でないこと」、そして「なぜ自分を大切にしてくれる人を選ばないとならないか」の理由にあります。

 

「最初に感じた愛や恋は月日と共にどんどんすりへって違う何かに変わっていく」

「だから君はそのときの美しさよりも」

「一瞬の楽しさよりも」

「自分の親兄弟と同じか それ以上に自分を大切にしてくれる人を探しなさい と」

 

この言葉に尽きます。

恋愛至上主義、(たとえ出会いは見合いであれ何であれ)恋愛を経ての結婚がもてはやされる昨今、愛や恋は変わるから愛や恋の美しさ・楽しさを肯定した上で愛・恋で(結婚)相手を選ぶんじゃないと言い切っちゃうところが凄えと思いました。純粋に。

恋・愛基準はある意味極端だとしても、美しさ・楽しさ(という価値)で選べって言われてるのにねえ。

さらにすごいのが、自分を大切にしてくれる人とは何ぞや、についての回答。

お茶の時間の最後に残ったビスケットを黙って一人で食べるなという温度感と距離感が比喩としてバッチグー。

自分を大切にしろという要求も、あんまり突き詰めても正直お互いに窮屈なんで、お茶の時間の最後のビスケット位は、相手の事もを考える位の大切さで良いというところも好感を持ちました。個人的に。

 

先に言ったように、エンドがハッピーで、魅力的な登場人物、国の問題など、面白要素てんこ盛りなので、読んで損はないです。1巻で完結しますし。

ちなみに作中でもB国で突っ込まれていましたが、主人公でありヒロインであるサーラの体型は、やはり雨無村ヒロインからの流れなんでしょうか?

私は個人的にこういうヒロインは全然アリですが。

 

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