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「八甲田山死の彷徨」(浅田次郎著 新潮文庫)

※ネタバレ注意

 

(本日紹介する本)

八甲田山死の彷徨」(浅田次郎著 新潮文庫

 

(作品紹介)

八甲田山遭難事件を元に描かれた、浅田次郎氏の大ベストセラー小説

 

(感想)

当ブログでもたびたび取り上げているカレー沢薫先生がこの作品を元に作られた映画をよく話題に取り上げているので、以前から読みたいと思っていたところ、幸いにも機会に恵まれて読みました。

 

現実に起こった遭難事件を書いているので、読んで楽しいハッピーな気持ちになる小説ではありません。読むにはそれなりの覚悟を持って読んで頂きたいです。

 

令和の今なお重版されている名著なだけあって、遭難事件の場面の悲惨さよりも(勿論悲惨さも取り上げてはいますが)、何故ここまでの悲劇(210名中199名の死者を出す)が生まれたのか。危機的状況における組織やリーダーのあり方について描かれているので、これらを知る上でもとても勉強になります。

そして、こういう時多くの犠牲が生まれるのは、指揮官(上)でなくその下で働く者であるということを改めて思い知らされます。

 

八甲田山遭難事件の描写だけでも凄いのですが、遭難事件のその後が淡々と丁寧に描かれている終章と、最後の解説に、実は誰一人犠牲者を出さなかった弘前31聯隊を率いた徳島大尉のその後の運命も書かれていて、「ああ、無情」と思わず呟きたくなります。

 

所々で浅田次郎先生によるフィクションが入りますが、基本は八甲田山遭難事件を忠実に描いているので、実際の事件を調べたうえで読むといろいろ分かってしまうので、出来れば前情報なしに読んでいただければかと思います。

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