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「下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち」(内田樹著 講談社文庫)

※ネタバレ注意

 

(本日紹介する本)

下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち」(内田樹著 講談社文庫)

 

(作品紹介)

2005年にビジネスカフェジャパンが主催したトップマネジメント・カフェにおける講演がベースとなった著作。

講演がベースとなっているので、第4章は、質疑応答となっており、質問者の問いに答える形になっています。

とはいえ、講演録を目で追う形でなく、普通に文章として読み進められます。

内容は、なぜ日本の子どもたちは勉強を、若者は仕事をしなくなったのかについて、正面から向き合い、解き明かします。

 

(感想)

今から15年前に書かれた文章なので、この講演がされた当時就学していた児童たちは今は立派な社会人になっています。

なのに、問題の本質は全く変わっていないなと実感。

この当時言われていた児童たちが、成人して社会人となり、その問題がそのまま会社内にシフトされている気もしなくもないです。

 

「勉強って何の役に立つの?」

哲学的な意味で発せられた問いではなく、不平・不満を言語化した意味での児童のこの質問に対する筆者の回答、また、どうしてこのような問いが生まれたのかの背景について事細かに語られています。

さらに児童たちが「勉強って~」の問いを口にする背景は、仕事をしない若者たちの背景にも共通していることが述べられています。

「勉強って何の役に立つの?」

などと問う、子どもや若者たちに辟易している方は一読の価値あります。

 

ちなみにこの回答については「そのような問いに答える必要はない」です。

逆にこのような問いが発生する事自体が、本当の意味で「学び」の意味が分かっていないことを筆者は説いています。

 

「学びのプロセスで開発すべきことは何よりもまず「外界の変化に即応して自らを変えられる能力」です。「学び」の人類学的意味はそれに尽きます。」

それに対し市場原理を持ち込んで、「何の役に立つの?」と商品のように見定めて学ぶことの意味を問うことは、

「おのれの幼児的欲望を抱え込んで、決して成長変化することのない消費主体のままでいること。」

に他ならないというわけです。

 

15年前の講演内容だというのに、今に通用する内容なので、興味を引かれた方はどうぞ。

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